退職希望者を引き止めるための対話方法

コミュニケーション, 人事

「優秀な部下ほど辞めてしまう!」「優秀な部下は条件のいい会社に引き抜かれる!」「部下の欠員補填に時間と労力をかけるのはもう嫌だ!」などと悲痛な叫びが聞こえてきます。

売り手市場の今だからこそ、退職引き留め成功術を身につけて、優秀な部下が辞めない体制にしていくことが必要です。退職引き留め術と言っても実はシンプルです。ここを抑えれば部下の退職引き留め成功率は大幅にアップしますよ!

退職を引き留める時の正しい対応3ステップ

①まずは、退職希望者の話をよく聴く

話をよく聴く、ということは本当に色々なところで言われていますし、頭では誰もがよく理解しています。けれども、本当に聴ける人は稀です。

「いや、私は時間をかけてじっくり話を聞いているほうだ!」

という方もいらっしゃいますが、それで人間関係の問題が解決されていないならば聴けていないのです。

話を聴くというのは、
『目の前の人の言葉や態度では表現できていない本当のニーズ(必要性)とウォンツ(要望)を理解する。』ということです。

話を聴くためのポイントをお伝えすると、話を聴く方が自身の考えや感情を脇に置いて、ただそのまま言葉を聴くということです。どんなに考えや感情を脇に置いていたとしても、どこまでも主観であるのが人間の性ですから、ここはよほど意識して気をつけるべきポイントなのですが、おざなりにしている方が非常に多いのです。

また、言葉の定義は人によって違う、ということも意識するといいでしょう。同じ言葉を違う定義で使っているので、よく聴けば聴くほど誤解が深まるということを肝に銘じましょう。

そのリスクを少しでも避けるためには「今の話を、私はこんな風に理解したけれども合ってますか?」と確認しながら聴き進めることが大切です。

②適切な質問をして話を深める

相手の話を聴いた後、自分の意見をし始める方も多いのですが(話を聴く前に自分の話をする人さえ多いのです!)、まだまだ話し手のターンです。

話を確認しながらよく効いた後、適切な質問で、ニーズ(必要性)とウォンツ(要望)を探っていきます。

人間は、自分の話を聴いてくれたと感じると、人の話もしっかり聴けるものです。逆に自分の話を聴いてくれない相手の話は聴けません。

ですから、相手のためにではなく、後々自分の話をしっかりと聴いて理解してもらうためのプロセスなのです。また、このプロセスで信頼関係も構築されますから、様々な人間関係の問題を解決することができます。

③どの道が退職希望者にとって一番いい道なのかを共に模索する。

ここまで深くとことん、退職希望者の話を聴いて、さらにどんな道が一番いのかをともに考えるというプロセスです。

ここでは「会社としては、あなたが必要だ。ともにこんなビジョンに向かって歩みたい。けれども長期的に考えて、一個人の幸せが大切だ。だから、一緒に本当に幸せな道を様々な観点から考えてみよう。」という主旨を提案します。

自分としては本当にやめて欲しくないし必要だけれど、あなたのためには何が一番いいのか模索しようとことです。

この時、言葉ではなく、あり方が伝わります。本当に一番いい道をともに模索しようとしてくれているのか、それとも引き留めるために表面上言っているのか、バレてしまうものです。人間は誰もが超能力者ではないかと思うほど、言葉ではなく、あり方を感じ取っているものです。

ここで、退職希望者本人が、

『本当に話をとことん聴いてくれた。そして本当に自分の側に立ってともに考えてくれた。上司側の本音も伝えてくれた。』

と実感できると、目の前の問題や損得などの理論よりも感情レベルで「この人とビジョンに向かって道を作りたい」などと感じます。

人間は理論では動きません。人間は感情で動く動物です。どんなに理論的な人であっても決断は感情レベルで行われています。

逆に、とことん話を聞いた後で、上司の方が「自社にとっては痛手でも、ここは転職を勧めた方がいい」と心から思える場合もあります。それをそのまま真っ直ぐに伝えることも重要です。

上司が、
「転職すべきだ。やめるべきだ。」と進めても「もう一踏ん張りやってみる!」と退職希望者の方が上司を説得するというようなギャグのような対話に発展する可能性すらあります。

もちろん、それでも引き留められない場合もありますが成功率はかなりアップするでしょう。

退職を引き留める、たった一つの重要ポイント

退職を引き留める、たった一つの重要ポイントは『関係性』です。そして、関係性は『あり方と聴き方』の2つから成り立っています。

①関係性におけるあり方とは?

関係性におけるあり方とは、
相手への興味(相手を深く理解したい)を持つことが、結局は自分のためになる。そして、自分のためだけではなく、それが相手の一番いい風になる。だから、まずは相手を深く知ることがその第1歩であることを肝に銘じるということです。

どういうことかと言うと、話をよく聴こう!とか、傾聴が大事などとよく言われますが、ほとんどの人は、その目的を表面的に捉えています。

本当に相手に興味を持って、相手の話を聴くことで、信頼関係が築けたり、こちらの話を深く聴いてくれたり、その効用は絶大なのです。ですから、結局は自分のためになるということです。

しかし、この時、自分のためにということが先に出てしまうと、それが伝わってしまうので、結果的に自分のためになることを知りつつ、深く聴くという、そのあり方が大事です。

②関係性における聴き方とは?

関係性における聴き方とは、
自分の意見や感情は横に置いて、そのまま聴く。言葉の定義や意味をする合わせて理解を深める。適切な質問でニーズ(必要性)とウォンツ(要望)という本音を引き出すということです。

表面的な言葉(理由)はどうでも何でもよくて、退職希望者の本当のニーズ(必要性)やウォンツ(要望)が何であるのかを知る必要がある。そして、この聴き方ができれば、他のたいていの人間関係は解決できます。

なぜ解決できるのかというと、本当のニーズ(必要性)やウォンツ(要望)が相手の本音だからです。本音を軸に対話を深めていけるからです。もちろん相手のニーズ(必要性)やウォンツ(要望)を満たせない場合もあるでしょう。驚くことに、それを満たす満たさないに関わらず、しっかりと本音を軸に対話が深まれば『納得できる』という結果を出すことができます。

本音を軸に対話を深めて、ニーズ(必要性)やウォンツ(要望)が満たされれば解決です。そして、ニーズ(必要性)やウォンツ(要望)が満たされなくても、その対話に心から納得して相手の心が満たされるので、それも解決なのです。

しかし、ほとんどの場合、この納得が引き出される対話ができていません。それこそが問題です。

まとめ

上記に書いたシンプル且つ本質的な方法とポイントは、逆に「問題のある社員に、どうしても円満に自己都合で辞めて欲しい。」などという場合にもよく効きます。要は、人と人のコミュニケーションそのものなのですが、表面的な手法ばかりが横行し結果に結びついていないことが多いのです。

私は、あり方と手法の2つをセットで『望む結果』を増やしていきたいと願っています。

弊社では『優秀な人材を引き留める』『問題社員を円満に自己都合で辞めてもらう』のいずれも個別対応で解決しています。社内では難しいような案件はぜひお気軽にご相談くださいませ。

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