【年上部下】意図が通じない50代新人社員の育成方法


 

少人数の会社に50代の新人Bさんが採用されました。

この会社では最年長です。そして上司は40代前半の女性経営者。

年上の部下をどう育成していいかわからず胃を痛めていました。さて、どのように解決したのでしょうか?

50代、期待の新人Bさん

面接の感触は良く、人生経験があり、期待の新人でした。

やる気はあるし、返事や受け答えもいい。

しかし問題は、言葉の『意図』が伝わらずに、独自の解釈で物事を進めてしまうことでした。

Bさんの仕事は、ずっと部屋で篭っている訳ではなく、事務所に登録の人がきて説明したり、企業に出向いたり、書類を出したりなど、多くの人と関わったり、外に行くことも多々ありました。

人生経験が豊富で性格が明るく、いい人材と思い、経営者自らが採用したのはいいけれど、いざ一緒に仕事をしてみると……言葉(意図)が通じず、ストレスがたまっていって、胃が痛むほどに……。

  • 言うことを聞かない。
  • 勝手な判断でことを進めてしまう。
  • 意図が伝わらない。
  • 自分よりも人生の先輩だから強く言えない。

などのストレスをためていました。

Bさんの話

会社のために良かれと思って。

言われたことだけをするのではなく、会社のために一生懸命に工夫して仕事している。

もっとお役に立ちたい。

と前向きな姿勢とやる気が伝わってきました。

双方の話を聞いてみると、お互いに、良かれと思って一生懸命に関わっている結果、ストレスを生んでいたのです。

社員数が少なく関係性が近いことに加えて、感情的に反応しているため、社内だけで解決するのは難しいところまで来ていました。

コンサルティング実施

まず最初に依頼主である経営者の話をとことん聴きました。

愚痴やストレスも含めて全てお聞きした後、具体的なゴールを明確にし『育成成功リスト』を一緒に作成しました。

その後、Bさんと1対1で週に1 回関わりました。

Bさんと関わる際は、経営者から聞いていたことは一旦全て横に置き『何も問題はない、やる気のある社員の一人』として接することが非常に大事なポイントです。

Bさんの思いを全て聴き、思いと希望を共有し、共にその希望に向かって歩む仲間なのだ、という信頼関係を築きました。

  • 活躍したい。
  • 貢献したい。
  • 役に立つ人間で在りたい。

Bさんの心はやる気に満ち溢れていました。

ただ、やる気が強すぎることが災いし、見えていないこと(死角)が多く、空回りしているのだと感じました。

なので、まずBさんのその『やる気・努力・能力』を十分に労う必要性を感じたのです。

それらを十分に労う対話を重ねる中で、Bさんは「もしかしたら、空回りしているのかもしれない。指示の意図は他にあるのかもしれない」と自ら気づきました。

伝えてしまうことの方が簡単ですが、ここで、自ら気づかせることが大事です。

50歳で新人というのは、年下の上司や先輩同僚が考える以上に、実はプレッシャーも多く「ここで絶対に結果を出さないと後がない!」

『何としても認められないと!』という無意識の焦りがあって、心に余裕が持てない状態だったのです。しかし、内部外部には関係なく、

たった一人でも『やる気・努力・能力』を心から認め、労ってくれる人がいる、自分を理解してくれる人がいると感じられた事で、心に「ゆとり」が生まれました。

さらに、Bさんの理解できる言葉で『会社側の求めること』をディスカッションしました。その中で、Bさんから見えている現実が、実は全てではないのだ、ということに気づ

けば、死角も減っていきます。

例えば、上司からの指示に対して「こうすべきでは?」と自分なりの意見を言いたくなっても、一息入れて「どんな意図があって、この指示なのだろう? 私が今気づいていない意図があるかもしれない」と捉え

ることができるようになります。

さらに「この指示は、何のためのものですか?」と『確認』すれば、

相手の意図も見えてくるでしょう。

どんなに、良かれという気持ちからであっても、独りよがりで勝手に判断すると間違える。

間違えないために『確認や相談』をすることで、共にいい仕事にしていける、その面白さに、自ら気づいていきました。

新人で最年長ゆえに『確認や相談』が憚れる心理も理解できます。

しかし、それよりも「みんなから頼られて役に立つ人材として活躍したい」という希望の方にフォーカスし、
『確認や相談』は、みんなで『いい仕事』を創造するために必要な事だという事も、自ら気づいていったのです。

言葉では教育できない!

教育は言葉ではできません。言葉で伝えて、頭で理解できたからと言って、それが『出来る』とは限らないからです。

大事なのは、自ら気づく事です。

教育(育成)とは、Bさんを心から信頼し、自ら気づくためのサポートに徹する事なのです。

また、Bさんの活躍を一番喜んでくれるのは、経営者や仲間たちだという事も、様々な出来事を通じて実感できたBさん。外部コンサルティング導入3ヶ月で、すっかり『変な力』が抜け、本来の性格を活かし、のびのびと仕事に取り組めるようになりました。

その結果『育成成功リスト』全てにチェックがつき、経営者や同僚とも意思疎通ができ、お互いに気持ち良く仕事を進められるようになりました。

結果を出すコツ

私は、毎回、最初に『育成成功リスト』を依頼主と共に作成しますが、コンサルティング中はそこには、ほとんど触れません。なぜなら、それ

は『枝葉』だからです。『根っこ』が育てば『枝葉』は自然に解決しているからなのです。

チェックリストは、育成が成功したかどうかを測るためには必要なものですが、育成そのものには、あまり必要がないのです。

できない事をできるようにさせる、というよりは、本来持っている意志や能力を伸ばす方が、ずっと良い結果になる事を私は何度も体験しています。

だから、お互いの感情がこじれてしまった時でも、お互いの「良かれと思って」という気持ちや「やる気」などがあれば、それは必ず解決できます。

まとめ

どんなにストレスフルな関係になったとしても。

実は、ボタンの掛け違いであったり、同じ言葉を使って別の話を平行線でしているだけだったり、お互いに求めるものが違っていただけだという場合は、外部の人間が入るだけで修正できることは多々あります。

このように、本質的に関わることで、ほとんどの問題は解決できます!

今日は『意図が通じない50代新人の場合』というテーマでお伝えしました。

Follow me!