叱るとすぐ泣く女子新卒社員の場合

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今回の例は、社員数30名ほどの飲食サービス系の中小企業での女子新卒採用者の例です。面接・筆記試験を実施したところ、筆記試験の成績は良く、面接を担当した上司たちは「明るく楽しそうな感じのいい人が来た!」と喜んだそうです。

問題は、現場で起こりました。この新入社員を仮にAさんとしましょう。Aさんは、確かに雑談をしている時は明るく、よく笑う感じのいい人なのですが、職場の先輩が仕事を何度教えても覚えないし、注意するとすぐに泣いてしまうそうです。

仕事ではすぐ泣くのに、休憩中などの雑談ではケロッとして楽しそうに雑談をする。彼氏の話など、プライベートな話まであけっぴろげに話すそうです。

仕事を教えていた先輩方が『私の教え方が悪いのかもしれない』『注意の仕方が違うのかもしれない』と胃を痛めてしまいました。特に教育担当の先輩が半ノイローゼ気味になり、その段階でコンサルティングに入りました。

教育担当者から詳細を伺った後、私は、Aさんからもじっくりとお話を伺いました。「職場の先輩たちは、みんな優しくて大好き!」と屈託なく答えたその笑顔に、確かに反省している様子は感じられませんでした。

本人は『仕事を一生懸命にやっている』という意識しかなく、覚えが悪いとか迷惑をかけているということには無頓着です。それに愛嬌があり屈託ない笑顔・・・上司たちのウケはいいだろうなと想像できます。

注意されて泣くのはどうしてなのかを聞いてみると「今まで注意されたり否定されたりしたことがないから、どうしていいかわからない」ということでした。ご両親から、大切に褒められて、認められて、育ってきたようなのです。

両親から否定されてばかりで自信が持てない大人もいる一方で、認められすぎて社会性が育っていない大人もいるのだと私は感じました。もちろん、全く同じように育てられても、その子の持って生まれた性格や環境・時代などによって、結果はまるで変わります。子育てに正解はありません。だから、こういう場合に、ご両親の育て方が悪かったという風には決してしたくはありません。

やはり、社会人になったら、たとえどんな風に育てられようと、自分の選択・自分の責任なのだと私は思います。見えていないことや気づいていないことがあれば、大人同士、伝えあいながら、お互いに成長していけばいいのだと思います。

ただ、背景としては理解しておきたいので、幼少期のこと、親との関係などプライベートなことまで踏み込むことはあります。こうして背景を理解し、Aさんにも断った上で、教育担当者に、この背景をお伝えしました。その上で「普通、そのくらいわかるよね?」といった常識を『期待』することをやめましょうとご提案しました。

次に、私からAさんへ社会人としての『大前提』を教育するので、そこを連携して様子を見ましょうとご提案しました。

毎週1時間、1対1で教育の時間を取り「対話」によって本人が自ら「仕事とは何か」「責任とは何か?」に気付いていく時間を作りました。教えるのではなく、Aさん自らの言葉で気づきを促す、深掘りしていく対話を積み重ねます。そして、毎回、対話に基づいた課題を出しました。

その一方で、現場の人たちがAさんに期待したり指導して変えようとすることを一切やめていただきました。ここは現場と私の連携プレーです。

期待を一切捨て、子ども扱いすることで、先輩たちが今までと同じように楽しく働ける雰囲気を取り戻すことを優先させました。

ヒントは、私が小さい頃にありました。大きな子どもたちが缶蹴りや鬼ごっこなどしていると、まだ小さい子どもが、そこに混じって遊ぶんです。大きな子どもたちは小さな子どもたちを「おミソ扱い」します。同じ空間で遊ぶけれど、まだルールが理解できない子はタッチされても鬼にならない。そうすると、大きい子たちは小さい子たち関係なく楽しく遊べるし、小さい子は一緒に走り回っていることが楽しい。どっちも楽しめるのです。

その「おミソ扱い」という感覚を先輩方によく理解していただけたので、今回は成功しました。日々の職場ではおミソ扱いで、なんども丁寧に仕事を教われる環境。先輩方にもストレスなく仕事を楽しめる環境を作りました。その一方で、Aさんと毎週「対話」を重ねました。その両輪で、Aさんは少しづつ理解して行ったのです。

仕事とは何か、責任とは何か、なぜ注意や指摘は必要のか、大人とは何なのか?社会はどう成り立っているのか・・・。

ちょうど3か月後、おミソ扱いではなく「普通の新入社員」として仕事ができるAさんへ成長しました。きっと10年後、20年後に、この時に関わってくれた先輩たちへ本当の感謝があふれる日が来るのでしょう。

今は、Aさんのような人をすぐに「発達障害」という枠にカテゴリーして特別視をする風潮もありますが、今回のように、ただ社会性を学べていない場合あります。また、愛嬌がよく明るい性格など良い面を活かせる仕事を任せ、苦手な部分をフォローできる体制作りもできます。だから障害と決めつけて「できないレッテル」を貼るのではなく、対話を重ねて見極め、本人も周りも幸せに仕事ができるようにすることが、大事なのだと再確認できた事案でした。

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